昨日開かれていたセミナーに関する、ITmedia の記事より。
テレビCMの効果が薄れてきたと言われ、ネット広告に注目が集まっている。ネット広告ならではの特性や最近の動向を、広告界のキーマンが語った。
どうなんでしょう。テレビCMを否定し、ネット広告が凄い、なんていう話自体が、なんかの脅威論みたいですけど、実際にはそれぞれをうまく使いこなせばいいんであって、「テレビCMはダメ、これからはネット」なんて話を“広告界のキーマン”が話をしてたりすると、“広告界”自体お寒いですよね。そんなんでいいんでしょうか。
「テレビCMの効果が薄くなってきたと今になって言われるが、テレビCMは前から“トイレタイム”と呼ばれていたではないか」 (略) 高広さんは、テレビCMはもともと「捨てられていた時間だ」とし、冒頭のように語った。
確かに本質的に、テレビCMは何十年もかけて「トイレタイム」や「コンシューマに捨てられてた時間」としての課題を持ってきた。でもだからこそ、広告業界のクリエイターたちは「より注目されるためのテレビCM」を日夜奮闘して作ってきたのだし、またメディアプランナーたちは「よりリーチしやすいテレビCMの利用プラン」を毎日徹夜までして作り上げてきた。なので、頭ごなしに「テレビCMはダメ!」というように言う風潮はほんと腹立たしい。
いま「テレビCM」が置かれている課題は、簡単な話ではない。
以前は、企業が産み出す商品自体が「マス」を対象にしたものが多かったからこそ、マス・マーケティング、マス・メディアが“効いていた”。しかしながら、最近はよりコンシューマのライフスタイル・嗜好の細分化にあわせた商品が多数産み出されてきているため、そのマーケットサイズにあわせると「マス」なメディアがフィットしなくなってきてるケースも多いのである。
となると、「テレビCM」がダメ、なのではなくて、「今のテレビCMの使い方だけじゃない、他の使い方、流し方のアイデアってないの?」という前向きな議論が必要となってくるのである。
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