最近はやりの、Owned media / Earned media / Paid media / Social media などの分類。
企業がメディアを持つことができる時代になりました、とか、
生活者がつながり形作るソーシャルメディアの自体になりました、とか。
で、メディアを作りましょう!って話になる。
でもね、メディアを作ると、はい、それで終わり、じゃなくって、運営のコストがいくらでもかかるし、ユーザーを集めたり、維持したりするマーケティングコストもかかる。つまり、これまでは“広告枠”というものを都度購入していたから(もしかすると)安価に済んでいたのかもしれない、という考え方もできるかもしれない。
それほど、気楽に気軽に「企業がメディアを持つ」なんてことはできないし、そもそもじゃあなんでそのメディアが使われるわけ?という理由と企業のマーケティングの理由が一致することもなかなか難しい。
だから、Owned media て結構タフな道を進むことになるわけよ。
で、ここにきて Social media までも企業が持つ Owned media にする、という言葉なんかでてきてる。
たとえば、Owned Social Media (platform)というキーワードも出てきてるみたいなんだけど、ユーザーが形作るという意味合いももってしまった Social Media というキーワードに、Owned=所有する、なんて言葉をつけると、意味的に矛盾が生じる。過去の例でいうと、mixiとかアメブロとかがユーザーの記事内容の所有権をサイト運営者側が持つとした規約書いて炎上したような、ああいう運営者側のエゴがこの Owned Social Media という言葉にしちゃうと出てきてしまうような気がするのだ。その作り手がそういう意図がなかったとしてもね。
なので、ここでこの「(広告主的)企業が運営する Social Media 」というのをどのように呼べばいいのか、を提案してみる。
まず、Socialであることは、企業もユーザーも平等につながることを大前提に考えなくちゃいけないだろう。そしてユーザー自身が自由に記述・利用出来ることも期待されるし、なおかつ、その生み出されたコンテンツを企業側も他のユーザーも使う。企業もユーザー同士もその情報を通じてつながる。
あー、じゃぁ、これは、企業とユーザーにとっての"恊働作業"によって作られていくメディアなんだな。と。
この"恊働作業"をするんだ、という前提が、すなわちこうした(広告主的)企業が Social Media を運営するための志になるはず。
となると、Owned Social Media といったような、所有・被所有の関係性を表現した言葉でなく、ともに作っていく、互いに助け合う、cooperative social ecosystem のメディア化ということで、"Cooperative Social Media "と名付けたほうが、企業がSocial Mediaで向き合うべき姿勢も含めた意味合いで、適切に表現できるのではないだろうか。
このメディアは、ユーザーと企業が互いに助けあってこそ、うまく行くはずなのだから。
自社メディアの運営(≠構築)がタフな道なのは超同感です。予算も組織もちゃんとしないと。
ところで「スポンサード」(Sponsored Social Media)じゃダメなんですか?
「自社運営」って意味合いとずれちゃうからちがうんでしょうかね。
投稿情報: 河野 | 2010年1 月19日 (火) 09:26
仰るとおりタフなんですよね~
僕もブログで書きました。
http://www.zkaiblog.com/histaff/archive/1136
だから限られたメディアに企業はみんないこうとする。
そうするとマネーパワーで、結局一位企業しか残れない。
(部分的な成功事例はあっても、行き着く先は、ということで)
それが僕の感覚で、だから企業がメディアを作る道を選びたいと思っています。超タフですが。
いずれにせよ、目に見える費用対効果は、既存メディアを買った方が短期的にはいいのがほとんどなので、
・どう企画を通すか
・通った企画をどう完成させるか
・完成させたメディアをどうランニングさせていくか
という部分で、気力体力、そして対内外に相当の覚悟がないと、企業メディアとひとくくりにしちゃいけません。
相当企業で(短期的には)嫌われ者を演じつつ、心の中で「動機善なりや、私心なかりしか」を唱えないといけません。
加えて、善であれば、きっと会社はわかってくれる、という、企業と、企業が提供している製品への愛着も。
逆に、覚悟がある人間が、どんどんメディアを作っていって欲しいと思います。
余談ですが、業界で一番お金持ちの企業、ではないのでこの先方をとっている次第で。
一番手企業は、中期的延命なら、僕のやり方はとらない方がいいとおもっています。
投稿情報: Z会寺西 | 2010年1 月19日 (火) 09:43
>河野どの
そうねえ、スポンサードだと場を用意する感じ。
cooperativeのニュアンスは、対話的な、インタラクティブ的な、協働的な、という双方向に創り上げてくニュアンスができるかな、と思ってさ。
投稿情報: タカヒロノリヒコ | 2010年1 月19日 (火) 16:03