■「YouTube」、もはや動画共有サイトではない?-米豪調査
クイーンズランド工科大学 Queensland University of Technology の ARC Centre of Excellence for Creative Industries and Innovation (Cci) の Jean Burgess とマサチューセッツ工科大学 MIT's Convergence Culture Consortium の Dr Joshua Green による調査研究より。
この調査を引用している、Science Alert の YouTube attracts professionals にこの研究者二人のコメントがあったのでそこから抜粋すると、
Dr Buregess によると "There are two ways of understanding YouTube - as a low-cost distribution channel for commercial media content and as a platform for amateur cultural production. Both YouTube uses are alive and well, but each has some unexpected patterns," YouTubeを理解するうえで2つの方法がある。ひとつは商用のメディアコンテンツのためのローコストな配信チャンネル、そしてもうひとつはアマチュア文化から生まれる制作物のプラットフォームとして、だ。どちらのYouTube利用も活発で非常にうまく機能している。しかしどちらも予測できなかったパターンを持っている。
"We did find a lot of commercial content from traditional media such as television and music, much of which is uploaded by users."
テレビや音楽といったトラディショナルなメディアから商用的なコンテンツを多数見つけてきたが、これらのほとんどはユーザーによってアップロードされている。
"But YouTube is also being used commercially in new and innovative ways. A good example is the ongoing HotforWords videos in which a skimpily clad woman gives the etymology of words." しかしながら一方でYouTubeは新しいイノベーティブな手段で商用利用されている。その好例として、肌を露にした女性が単語の語源を教えるという、いまも続くHotforWordsというビデオがある。
"It is participatory in that viewers can send in videos of themselves asking a question. It is clearly orchestrated for YouTube and is syndicated to iTunes and acts as the main driver of viewers to the HotforWords website which carries a lot of advertising." これは、視聴者が自分の質問をビデオに送るという参加型の仕組みとなっている。まずYouTubeに集められて制作され、iTunesにも同時に配信され、たくさんの広告が掲載されている HotforWords のウェブサイトに視聴者を集める原動力として働いている。
"We found that some people who look like ordinary vloggers (video bloggers) might have started out that way but now have production teams behind them as they explore and expand the social and business networking potential of YouTube." She said Tube was also an online community, where ordinary people went to participate in and create online culture by uploading clips from traditional media sources or by vlogging. 突出した vlogger(動画専門のブロガー)と見受けられる何人かの人々はそのようなところからスタートしたようだが、いまでは、ちゃんとした制作チームが背後にいて、社会的/ビジネス的なネットワークづくりのポテンシャルというものをYouTube上で探しているようである。 またこの研究者によると、YouTubeはオンラインコミュニティであり、トラディショナルなメディアからビデオクリップをアップロードすることやビデオブログを行うことをもって、普通の人々がオンライン文化をつくり出すために参加している場所となっているという。
"People upload short "quotes" on YouTube, such as their favourite team's winning goal or a segment from the tv news, to catch up with friends, comment on important cultural events or start a conversation with the world." 人々は短い「引用」をYouTubeにアップロードする。例えば自分達が好きなチームの勝利のゴールやテレビのニュースのある部分のようなものだ。それらは友人との情報をキャッチアップしたり、大事な文化イベントにコメントしたり、世間との会話をスタートするためにアップロードされる。
Dr Burgess said that despite the hype about "fan content" they found fewer examples of mash-ups and remixes than expected. バージェス博士によれば、熱狂的な「ファンコンテンツ」にもかかわらず、いくつかの例では、予想を越えるようなマッシュアップや理ミックスが見られたという。
"The comparatively mundane 'vlog' format -a talking head, a fixed camera and an everyday setting - is extremely popular." 比較的一般的な「ヴログ」フォーマットである、固定したカメラに毎日話かけるタイプのもの、が非常にポピュラーになっている。
"We also found a fascination with video technology itself. There are many videos that were based around tricks, novelty and humour. Because of this emphasis on variety YouTube is kind of like vaudeville." 我々は映像テクノロジーそのものにも魅力を感じた。多くのビデオが、仕掛けがあったり、なんらか新しい部分があったり、ユーモアがあったり、というものになっている。なぜならボードビル(大衆寄席)のような多様性がYouTubeにあるからだ。
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