マス広告が売れなくなってきている(かもしれない)事実を多くの人は「視聴者が減ったから」、「インターネットを使う人が増えたから」という風にいう。
でも真実は相当違うと思う。
というのもそもそも“視聴率”は存在するけど“実・視聴者数”なんてデータは存在しなしい、意外と「ネットを使うことが増えてテレビを見ることが減った」なんていうデータは存在しない(それもそのはず、両方同時に使ってるんだから)。
なので、マス広告側からすると「ネットのせい」にしたがるのは、「CDが売れなくなったのは携帯電話のせい」という“都市伝説”的なものではないかと思っていたりするのだ。
で、真実はなにかというと、僕の考えでは、企業の「モノづくり」「サービス開発」にある。
以前は、多くの企業が作り出すモノは「マス」に向けた商材であり、画一化されたものが多かった。それゆえ、その“マーケット・サイズ”をターゲットにしたときに、これまたサイズのあうマーケティングツールが「マス広告」だったのだ。
で、最近は企業のモノづくりがより細分化されたマーケットや、マスであってもカスタマイズ可能なものが増えてきたのは確かな事実である。それゆえに、「マス」というサイズで行うマーケティングも減ってきたのではないか。
このように、企業のモノ・サービスづくりの変化自体がマーケティング・コミュニケーションの変化をもたらしているでのはないか?ということが真実だと、僕は思っている。
それゆえ、今のままのマス広告が続かないとしたら、それは視聴者(消費者)のメディア接触の変化以上に、もっと深刻なマーケティングの変化の結果だし、それに対応できるビジネスを展開できない限り、トラディショナルな広告会社・広告ビジネスは多くは淘汰されてしまうことだろう。
もし、「マス広告にあわないなあ」という商品が増えている、と(広告会社の人々が)現場で感じているとしたら、きっとこれは真実に違いない。
「売れなくなった」という現象は、「伝わらなくなった」ことが原因なんだと思います。
マスに限らずとも、広告というものに価値を感じている消費者がどれほど存在しているのか、広告主は知っておくべきでしょうし、勇気ある広告代理店が存在するなら教えてあげて欲しいものです。
投稿情報: 課長007 | 2006年11 月26日 (日) 17:59
> 「売れなくなった」という現象は、「伝わらなくなった」ことが原因なんだと思います。
どうでしょう?
「伝わらなくなった」ということが言えるのであれば、「伝える」ための手段を考えればいいし、そもそも「伝わっているか、いないか」を毎年毎年トラックしている広告主がさほどいるわけではありません。
なので、「伝わらなくなった」結果、「売れなくなった」と言えるのあれば、それには、「最近、マス広告の効果が無くなってきた」ということを、過去と比べて同条件で比較した結果そうなっている、と言えねばなりません。
投稿情報: タカヒロノリヒコ | 2006年11 月26日 (日) 18:42
あ、当然、たった一つの理由によってのみ、マス広告が今後売れなくなっていく可能性がある、と言っているわけではないので。
投稿情報: タカヒロノリヒコ | 2006年11 月26日 (日) 21:50
この議論の周辺はすごく視野がせまいと思います。代理店側もNet側もメディアしか見ていないように思う。本質的には消費者にとって経験値にないほどの新商品などもうほとんどない状態で、ほぼ買い加え/買い替え需要だと思います。そんななかでプロダクトコーン理論ていうんですか?ベネフィットからエッセンスへ昇華させるCM/マス広告のありかたが、たくさんの消費者に刺さらなくなったと言うことだと思います。マス広告は今後もAttentionには必須なんでしょうけど、「納得」あるいは「買うに値する価値を実感」させることはできないと思います。(こう書くと、だから「口コミというかCGMが有効」って言う人が出てきそうですが、それは違うんだよね。まったくダメとは言わないけどそれはほんの一部。)
投稿情報: magni8600 | 2006年12 月14日 (木) 10:58